骨密度という言葉を耳にしたことがあっても、実際にどういったものなのか?どのような検査するのか?
分からないことが多く、検査をしていない方が多いと思います。
そこで今回は、骨密度の意味や検査の重要性を、実際の測定方法といっしょにご紹介します。
「骨密度って何?」「どうやって検査するの?」という疑問をお持ちの方、
また、骨をつくる為・強くする為に必要な「食事」と「運動」についても紹介していますので
是非、ご参考にしてください♬
🦴骨密度ってなに?
骨密度とは、単位面積あたりの骨量のことで、骨の強さを表す指標です。
骨のもととなっているカルシウムなどのミネラル成分が、骨にどのくらい詰まっているかを示しています。
骨密度が高いほど骨に隙間がなく、丈夫ということになります。
その密度を調べる方法が、骨密度検査です。
若い世代(20~44歳)の平均骨密度を100%として比較し、現在の骨密度が何%かを測定します。
骨の状態は体の外からは見えませんので、検査を受けることはとても重要です。
🦴骨密度が低いとどうなるの?
骨量が加齢やホルモンバランスなどの影響で急速に減少すると、
骨密度が低下(骨がスカスカになる)し、ちょっとしたことで骨折を招く骨粗しょう症になってしまいます。
しかし、骨密度が減っても最初のうちは自覚症状がなく、気がつかないうちに骨折してしまう方も
少なくありません。
たとえ転んだりしなくても、症状が進むと自分の体の重みで骨が折れ、腰や背中などが曲がってしまうのです。
最悪の場合、骨折が原因で思うように動けなくなり、寝たきりになってしまうケースもあります。
そのような重大なリスクを引き起こす骨粗しょう症の予防に欠かせないのが、骨密度検査です。
骨密度が高いほど骨が丈夫で、骨密度が低いほど骨が弱いことが分かりますので、
低い場合は迅速な予防と治療ができるようになります。
もし、骨が弱くなっていても治療が早ければ骨折の予防となり、
QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の維持にもつながります。
つまり骨密度検査は、健康寿命をのばし自立した生活を長く送るために必要な検査なのです。
🦴骨粗しょう症の早期発見の目安
✔背中や腰が曲がってきた
✔背中や腰が痛い
✔背が縮んできた
✔ぶつけただけで骨折した
以上のような自覚症状がある方は一度検査をお勧めします。
🦴検査は何歳ぐらいですればいいか?
現在、骨粗しょう症の国内患者数は、推計1280万人を超えその内の約4分の3(980万人)が女性で、
尚も増加傾向にあります。年齢別でみると、60歳以上の女性の5人に1人が骨粗しょう症になっています。
なので、検査を検討されている方は閉経がひとつの目安になります。
閉経を迎える50歳頃から骨量は低下していきますので、まずは1回骨密度検査をして、
自分の骨がどんな状態なのかを確認してみましょう。
福岡市では、よかどっくの項目に40歳以上の方が対象で500円で骨密度検査があります。
検査方法はMD法(Micro Densitometry法)といって、両手のレントゲン写真とアルミニウム板と一緒に
撮影し、手の第2中手骨の骨密度を測る方法をよかどっくでは行っています。
病院まで行かなくても現状を確認したいと思う方はこちらで大丈夫です。
🦴どんな検査をするの?
検査を行っている施設により方法が異なります。下記のような3つの方法が主に使用されています。
当院では、DXA(デキサ法)にて検査を行います。
エネルギーの低い2種類のX線を使い計測します。放射線量が少なく安心です。
全身のほとんどの骨を測ることができますが、
腰の骨(腰椎)と足の付け根(大腿骨近位部)の骨密度を正確に計測して表します。
骨折を起こしやすい腰と足の付け根の骨の2ヶ所を測定をして、精密な診断に繋げていきます。
同時に採血を行い、骨代謝マーカーと、カルシウムの吸収には欠かせないビタミンDの量も
血液検査で調べます。
🦴治療はどんなことをするの?
骨密度と採血の結果や患者様の生活様式(仕事をしているから、毎週の通院ができない、
または仕事をしている家族に送迎をしてもらっている為、頻回の通院ができない等の理由)や、
患者様個人の情報(注射が苦手、または自分で注射をするのは苦手、
もしくは心配なので看護師にして貰ったほうが良い方)を参考にしながら、
医師が最適な治療薬を検討します。
治療薬は、内服薬や注射薬があります。
また、注射薬の中には看護師が患者様にする注射と、自己注射(家で自分でする)があります。
患者様が自信をもって出来るようになるまで、外来看護師が責任を持って指導いたします。ご安心ください。
🦴治療を開始したら中断せずに通院をしましょう🦴
骨粗しょう症は骨密度の変化を観察し、変化に合わせた予防・治療を行うことが大切です。
しかし、骨は目に見えないため、状態の変化や治療の効果を感じにくく
自己判断で治療を中止してしまう例も多くあります。
骨粗しょう症の悪化が引き起こす骨折は、運動機能の低下を招き、
日常生活動作の低下にも繋がることがあります。
健康寿命を伸ばすためにも、定期的に検査を受け、治療を継続することが大切です。
🦴骨を強くするための食事って?
食事では骨の材料となる栄養素を摂っていく必要がありますが、
骨をビルに例えると・・・
このようにコンクリートの部分がカルシウムで、鉄筋の部分がコラーゲンとなります。
骨密度の検査で分かるのは、このコンクリートの状態です。
【コンクリートを丈夫にするための栄養素】
・カルシウム:骨の材料となる
・マグネシウム:骨の材料となり、カルシウムの吸収を助ける(カルシウム:マグネシウム=1:1が望ましい)
・ビタミンD:骨密度を高め、骨を強くする、筋力の維持
・ビタミンK:吸収されたカルシウムを骨に吸着させる
また、先ほどの図でも分かるように、鉄筋も丈夫でないとビルが頑丈にはなりませんよね?
つまり、鉄筋の役割をしているコラーゲンもやはり大事になります。
【鉄筋(コラーゲン)の材料】
・タンパク質
・ビタミンC
・鉄分
これらをバランス良く摂り、食事からも丈夫な骨をつくっていくことを意識していきましょう。
🦴どんな運動をすればいいの?
骨を強くするには、体重をかけることが大切で激しい運動は必要ありません。
食事で摂った栄養を骨に蓄えるには運動をして骨に刺激を与える事が大事になります。
運動不足は骨を弱くする原因と転倒しやすい身体になりやすいです。
✔まずは転倒しやすいか身体かチェックしましょう! ※転倒スコア:Fall Risk Index
1.過去1年間に転倒したことがある | はい | 5点 |
2.歩く速度が遅くなったと思う | はい | 2点 |
3.杖を使っている | はい | 2点 |
4.背中が丸くなってきた | はい | 2点 |
5.毎日お薬を5種類以上飲んでいる | はい | 2点 |
当てはまる項目の点数を足してみましょう! | 合計 点 |
合計点が6点以上の方は転びやすい状態なので注意が必要です。
少しずつで良いので運動を行う習慣をつけていきましょう!
継続することが大切になりますので、無理のない範囲で取り入れてみてください。
いかがでしたか?
ご自身の骨について、ご家族の骨粗しょう症について心配事がございましたら、
ためらわずに受診をしてみてください。ご自身・ご家族の健康寿命 を延ばしていきましょう!