みなさんは毎日の生活の中で1日にどのくらい歩いていますか?
「たくさん歩きましょう!」
「健康のために歩きましょう!」
など聞いたこと、言われたことはありませんか?
ですが実際に
「1日どのくらい歩いたらいいの?」
「歩いたらどんなメリットがあるの?」
といった声をよく耳にします。
そこで今回は、これからウォーキングを始めたい方や、すでに実施している方にとってポイントとなる内容を説明します。
【ウォーキングの効果は?】
高齢者にとってウォーキングは、日常生活に中で簡単に取り入れやすい身体活動の1つと言われています。
効果としては6つ!!
① 筋力の改善
→脚や腰を使うのは勿論ですが、両腕を交互に大きく振ることで、肩や胸、体幹の筋肉にも働きやすくなります。
② 全身の持久力改善(心肺機能の改善)
→全身の血流量が増加し、栄養(酸素)が十分に運ばれることで循環器や呼吸器の機能改善に繋がります。
③ 骨の健康促進(骨粗鬆症予防)
→骨に刺激が入ることで骨形成促進し、骨密度の増加に繋がります。
④ 転倒リスクの軽減
→歩数の増加により全身的な筋活動を発揮しやすくなることで転倒リスクの軽減に繋がることや、認知機能の低下で転倒リスクの高い方に対して、認知症の改善に伴う2次的な転倒予防に繋がります。
⑤ 睡眠の質の改善
→歩く量と睡眠の質に一貫性がみられたとの報告があります。日中ウォーキングをするとセロトニン(精神の安定)が分泌され、夜にはセロトニンを基にメラトニン(睡眠を促すホルモン)が作られることで睡眠の改善に繋がります。
⑥ 認知症へのリスク軽減
→ウォーキングにより脳の内部の血管が広がり、血液の流れが良くなることが報告されています。その結果、脳の活性化に繋がり認知症予防に効果があると言われています。
【1日何歩がいいの?】
1日の歩数は、朝起きてから夜寝るまでの歩数を指しています。
歩数は万歩計などを使用し記録を残していきましょう♪
表1 厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023.参考
対象者の年齢 | 歩数 | 運動時間 |
20-64歳 | 男性)約7900歩
女性)約6700歩 |
約60分 |
65歳以上 | 男性)約5400歩
女性)約4700歩 |
約30分-40分 |
最近の研究では・・・
約4000歩以上歩く人は身体機能に影響を与えるとの報告があります。
まずは自分の1日の歩数を知って、4000歩以下の人は4000歩を超えることを目標にしましょう。
【1日の動く量や歩数が少ないとどんなことが起きるの?】
加齢に伴い身体活動量の低下や歩数が少ない方は、フレイルやサルコペニアを発症しやすいと報告されています。
フレイルサルコペニアとは? → 一般社団法人 サルコペニア、フレイル学会 を参照してください。
【ウォーキングする時の速さはどのくらいがベストなの?】
ちなみに横断歩道を青の時間内に渡れていますか?
青信号の点灯時間までに渡る歩行スピードは
1秒間に1m歩く必要があると言われています。
一般的な歩行速度は?
対象者 | 歩行スピード |
若年成人男性 | 1.19〜1.59m/秒 |
若年成人女性 | 1.12〜1.54m/秒 |
前期高齢者(65歳〜74歳) | 1.20±0.22m/秒 |
後期高齢者(75歳以上) | 0.98±0.27m/秒 |
ポイントは
・普段歩く時と同じ速さで歩くか、少し速く歩いてみましょう!
・一緒に歩く人と会話ができるぐらいの速さで!
・ウォーキングする時は「1秒1mで歩くことができているか?」を目標に行いましょう!
【ウォーキングを行う上で注意することは?】
・準備体操を忘れずに行いましょう。
・体調不良や脚、腰等に痛みが生じた場合は休息をとりましょう。
・ウォーキング中は脱水症状を防ぐ為に水分補給を忘れずにしましょう。
・休憩を挟みながらウォーキングをしましょう。
<運動前の準備体操> ラジオ体操など軽めでOK
準備体操の目的は・・・
・筋肉や関節を動かすことにより運動時のパフォーマンス向上。
・体温が上昇し筋肉や関節が柔らかくなりケガの予防。
といった効果があります!
【ウォーキング後に大事なこと】
・関節や筋肉に対して15分〜20分程度アイシングをしましょう。
→運動時の炎症を抑える効果がある為、必ず運動直後に実施します。(脚や腰など)
・ウォーキング後のストレッチは怪我の予防や疲労回復、血流の改善に効果があります。
・痛みが続くようであれば病院の受診をお勧めします。
<運動後の主なストレッチ一覧>
肩関節・腕・手首のストレッチ
股関節・膝関節のストレッチ
今回説明した1日のウォーキングにおける歩数や歩行時間、歩行スピードはあくまで目安です。
まずは自分のペースで始めていき、健康習慣を身につけていきましょう。
気になることがあれば、当院に在籍しているリハビリスタッフにご相談ください。